退職届を受け取ってもらえないときはどうする?確認したい流れを解説します

退職トラブル

退職届を受け取ってもらえないときはどうする?確認したい流れを解説します

退職届を出したのに、上司が受け取ってくれない。

「今は辞められない」と言われた。

「後任が決まるまで無理です」と引き止められた。

こういう状況になると、本当に辞められるのか不安になりますよね。

退職を伝えるだけでも大きなストレスなのに、受け取ってもらえないと、さらに追い込まれます。

ただ、まず知っておきたいのは、会社が退職届を受け取らないからといって、必ず退職できないわけではないということです。

期間の定めのない雇用契約の場合、民法ではいつでも解約の申し入れができ、申し入れの日から2週間で終了するとされています。
大阪労働局のQ&Aでも、正社員が退職願を提出して上司が受け取ってくれないケースについて、会社の同意がなければ退職できないものではないと説明されています。

この記事では、退職届を受け取ってもらえないときに確認したい流れを整理します。

まず「退職願」と「退職届」の違いを確認しましょう

最初に、言葉を整理しておきましょう。

「退職願」と「退職届」は、似ていますが意味合いが少し違います。

退職願は、会社に退職を願い出る書類です。

会社に対して「退職したいです」と申し出る意味合いが強いです。

一方で、退職届は「退職します」という意思を伝える書類です。

会社の承認をお願いするというより、退職の意思表示として出すものです。

実務では会社ごとに扱いが違うこともありますが、退職の意思をはっきり伝えるなら、退職届として提出する方がわかりやすいです。

ただし、会社指定の書式がある場合もあります。

就業規則や社内ルールも確認しておきましょう。

口頭だけで済ませない方がいいです

退職を伝えるとき、口頭だけで済ませるのはおすすめしません。

理由は、あとから「聞いていない」「正式に受け取っていない」と言われる可能性があるからです。

特に、すでに退職を引き止められている場合は、記録を残す意識が大事です。

退職希望日。

退職の意思を伝えた日。

誰に伝えたか。

どのような返答があったか。

退職届を提出した方法。

こうした情報は、メモで残しておきましょう。

感情的なメモではなく、事実だけを書くのがコツです。

「6月27日10時ごろ、直属上司に退職届を手渡そうとしたが、受け取れないと言われた」

このくらいで十分です。

退職届を手渡しで受け取ってもらえない場合

まずは、直属上司や人事に退職届を手渡しする流れが一般的です。

ただ、受け取ってもらえない場合もあります。

その場合は、無理にその場で押し問答を続けない方がいいです。

感情的なやり取りになると、話がこじれます。

「本日、退職の意思をお伝えしました」

「退職届を提出したいので、受領方法をご確認ください」

このように、落ち着いて伝えましょう。

その場で受け取ってもらえない場合は、メールや郵送など、記録が残る方法を検討します。

メールで退職の意思を伝える場合

手渡しが難しい場合、メールで退職の意思を伝える方法もあります。

メールのメリットは、送信日時と内容が残ることです。

文面は、長く書きすぎない方がいいです。

たとえば、こういう形です。

件名:退職の申し出について

〇〇部 〇〇様

お疲れさまです。
〇〇です。

一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職したく、退職届を提出いたします。

退職届の原本については、別途郵送いたします。

必要な手続きについて、ご確認のほどお願いいたします。

〇〇

ポイントは、感情や不満を書きすぎないことです。

「ひどい会社です」

「もう限界です」

「上司のせいです」

こういう内容は、メールには書かない方がいいです。

退職の意思、退職希望日、退職届を提出することだけを簡潔に伝えましょう。

郵送で退職届を送る場合

会社が手渡しで受け取らない場合、郵送で退職届を送る方法もあります。

郵送する場合は、送った事実が残る方法を選びましょう。

一般的には、記録が残る郵送方法を使うことが多いです。

重要なトラブルになりそうな場合は、内容証明郵便を検討する人もいます。

ただし、内容証明郵便を使うべきかどうかは、状況によります。

会社との関係性やトラブルの深さによっては、専門家に相談した方がいい場合もあります。

自分だけで判断が難しい場合は、労働相談窓口や弁護士に確認しましょう。

退職届に書く内容

退職届には、最低限以下の内容を書きます。

退職の意思。

退職日。

提出日。

所属。

氏名。

宛名。

退職理由は、基本的には「一身上の都合」で問題ありません。

会社への不満を細かく書く必要はありません。

むしろ、書かない方がいいです。

退職届は、感情を伝える手紙ではありません。

退職の意思を伝えるための書類です。

会社から「辞められない」と言われた場合

会社から、こう言われることがあります。

「人手不足だから無理です」

「後任が決まるまで辞められません」

「今辞めたら損害賠償です」

「退職届は受け取れません」

こう言われると怖くなりますよね。

でも、期間の定めのない雇用契約では、会社の同意がなければ退職できないというものではないと労働局も説明しています。

もちろん、無断欠勤のような形で急に行かなくなると、別のトラブルになる可能性があります。

なので、退職の意思をきちんと伝え、記録を残しながら進めることが大事です。

就業規則に退職手続きが書かれている場合は、そこも確認してください。

退職代行を使う場合でも、一般企業、労働組合系、弁護士対応でできることが変わります。

退職代行と弁護士の違いは?料金だけで選ばないための基礎知識

契約社員や有期雇用の場合は注意です

正社員のように期間の定めがない契約と、契約社員などの有期雇用では、考え方が変わることがあります。

雇用期間が決まっている場合、契約途中で辞めるには、やむを得ない事情などが問題になるケースがあります。

そのため、「2週間前に言えば必ず同じように辞められる」と単純に考えない方がいいです。

雇用契約書を確認してください。

契約期間。

更新の有無。

退職に関する記載。

こうした点を見たうえで、不安があれば総合労働相談コーナーなどに相談しましょう。

厚生労働省は、職場のトラブルに関する相談や解決のための情報提供を行う窓口として、総合労働相談コーナーを案内しています。

有給を使いたい場合は別で整理しましょう

退職届を受け取ってもらえないケースでは、有給消化でも揉めることがあります。

「退職日まで全部出勤してください」

「有給は使わせられません」

「引き継ぎが終わるまで休めません」

こう言われることもあります。

有給について会社と揉めそうな場合は、退職の意思表示とは分けて整理した方がいいです。

退職そのものの問題。

有給消化の問題。

未払い賃金や残業代の問題。

これらを混ぜると、何を誰に相談すべきかがわかりにくくなります。

有給や未払い賃金など、会社との交渉が必要な内容がある場合は、弁護士や労働組合系の退職代行など、対応できる範囲を確認しましょう。

退職時に有給を使いたい方は、こちらの記事もあわせて確認してください。

有給を使って退職したいときの注意点を整理します

退職代行を使う場合に確認したいこと

退職届を受け取ってもらえない場合、退職代行を検討する人もいるでしょう。

その場合も、すぐに申し込む前に確認した方がいいです。

退職の意思を伝えるだけでよいのか。

有給消化について話し合いが必要なのか。

未払い賃金や残業代の問題があるのか。

会社から損害賠償などを言われているのか。

パワハラや脅しのような言動があるのか。

ここで選ぶべきサービスが変わります。

退職の意思を伝えるだけなら、一般的な退職代行で対応できる場合があります。

ただし、会社との交渉や法的な問題が絡む場合は、弁護士や労働組合系のサービスも含めて検討した方がいいです。

東京弁護士会も、弁護士ではない事業者が法律的な問題について本人の代理として相手方と話すことは、非弁行為にあたると注意喚起しています。

相談先を持っておくと安心です

退職届を受け取ってもらえないときは、一人で抱え込まない方がいいです。

相談先はいくつかあります。

総合労働相談コーナー。

労働基準監督署。

弁護士。

労働組合。

退職代行サービス。

どこに相談するかは、問題の内容によります。

単に退職の伝え方で悩んでいるのか。

会社が退職を妨害しているのか。

未払い賃金や残業代があるのか。

ハラスメントがあるのか。

損害賠償などを言われているのか。

このあたりを整理してから相談しましょう。

やらない方がいいこと

退職届を受け取ってもらえないと、感情的になります。

でも、次の行動は避けた方がいいです。

感情的に怒鳴り返す。

SNSに会社名を書いて投稿する。

無断欠勤を続ける。

会社の備品を返さない。

引き継ぎ資料やデータを勝手に消す。

会社の機密情報を持ち出す。

ここで変な動きをすると、自分が不利になる可能性があります。

退職したいときほど、冷静に記録を残して進めましょう。

怒りで動くと、だいたい損します。

退職届を受け取ってもらえないときの流れ

流れをまとめると、こうです。

まず、退職の意思と退職希望日を整理します。

次に、就業規則と雇用契約書を確認します。

手渡しで退職届を提出します。

受け取ってもらえない場合は、日時と相手の発言をメモします。

メールで退職の意思を伝えます。

必要に応じて、退職届を郵送します。

トラブルが深い場合は、総合労働相談コーナーや弁護士に相談します。

退職代行を使う場合は、対応範囲を確認して選びます。

一気に全部やろうとしなくて大丈夫です。

まずは、記録を残すところからです。

まとめ

退職届を受け取ってもらえないと、不安になります。

でも、会社が受け取らないからといって、必ず退職できないわけではありません。

期間の定めのない雇用契約では、会社の同意がなければ退職できないというものではないと労働局も説明しています。

大事なのは、感情的に動かず、退職の意思を記録に残すことです。

口頭だけで済ませない。

メールや郵送など、記録が残る方法を使う。

就業規則や雇用契約書を確認する。

トラブルが深い場合は、相談窓口や専門家を使う。

退職代行を使う場合は、対応範囲を確認する。

退職は、会社にお願いして許可をもらうだけのものではありません。

ただし、進め方を間違えるとトラブルになることもあります。

焦らず、記録を残しながら、一つずつ進めていきましょう。

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